2016.03.27 Sunday
寺報『徳風』第20号 聞法道場
線香の作法
「線香臭い」ということばがあるように線香はとかく辛気臭い雰囲気の代名詞となっているようである。しかし一方ではいい香りのする線香は心を癒すと人気がある。線香はいわば鼻で嗅ぐお経(説法)である。それと同様にお内仏は目で見るお経、法話は身で聞くお経と言っていい。真宗のお内仏は聞法の為の法具。決して先祖を祀る先祖棚に終始してはいけない。まず法事が勤まる前に香を焚いて清浄な空間をつくる。つまり生活空間が仏まします空間となり、念仏道場となる。そうして参詣者と導師をお迎えする。そのとき既に仏が説法をされているということである。その後は香りがすれば参詣者が焚く必要はない。出来れば良質のものを揃え、二・三センチぐらいに折って少しずつ使うと良い。仏事には欠かせないツールだけに知っておくべき事である。(大攝)