報恩講終了(お浚い)2013年1月29日

法要の日程は昨日で終了しましが、今朝の晨朝のお勤めは「お浚い」と呼ばれるものです。
お浚いは、報恩講の全日程が終了し、すぐに平常の荘厳で勤められます。
結願の和讃は「如来大悲の恩徳は」の三首で終わりますが、その後の3首から「仏智疑惑和讃」といわれている和讃が続きますがその頭となるものが、『不了仏智のしるしには』です。
「自分はちゃんと修行したんだ」という充実感が、いつでも驕慢の心(自らを誇るこころ)に変わるぞ。という戒めのような和讃です。
”如来よりたまわりたる信心”を、まるで自分の手柄にするような心。そんな爽快感から、自力の心に我々はすぐなるものです。まさに「不了仏智のしるし」ですね。

これをもって本当の意味で報恩講が終了になり、これから来年の報恩講へ向けての準備がはじまります。
 

報恩講七日目(結願)2013年1月28日

 一月 二十八日(結願晨朝)

先、総礼
次、文類正信偈 草四句目下     六〇丁右
次、念 仏   濁三
次、和 讃(正像末 九)
    念  仏          九九丁右
 初重「南無阿弥陀仏の廻向の」  二九一丁左
    念  仏         一〇〇丁右
   「往相回向の大悲より」   二九二丁右
    念  仏         一〇一丁右
 二重「弥陀観音大勢至」     二九二丁
    念  仏         一〇三丁右
   「弥陀大悲の誓願の」    二九三丁右
    念  仏         一〇四丁右
 三重「正道門のひとはみな」   二九三丁左
    念  仏         一〇六丁右
   「釈迦の教法ましませど」  二九四丁右
次、廻 向   世尊我一心    一〇七丁左
次、御 文 「御命日(鸞聖人)」 三帖目九通
次、総 礼


 一月 二十八日(結願日中)
先、総 礼
次、真宗宗歌
次、登高座
    伽 陀  「稽首天人」  三一五丁右
次、嘆徳文
次、下高座
    伽 陀  「直入弥陀」  三二一丁右
次、総 礼
次、文類正信偈 草四句目下    六〇丁右
次、念仏讃   濁五
次、和 讃 (正像末 十)
     念  仏        一一九丁右
  初重「三朝浄土の大師等」   二九四丁左
     念 仏         一二一丁右
  二重「他力の信心うるひとを  二九五丁右
     念 仏         一二四丁右
  三重「如来大悲の恩徳は」   二九五丁左
次、廻 向 願以此功徳
次、真宗宗歌
次、法 話
次、御俗姓御文
次、恩徳讃
次、総 礼


今日で法要は終わり。法要最終日のことを結願(けちがん)、あるいは御満座(ごまんざ)とも言います。

ここまで来てみると一週間も「あっという間だった」なと感じます。

法要の後はお斉をいただいて片付けです。この日は全講そろって行います。
みなさんお疲れさまでした。

 

報恩講六日目 2013年1月27日

 (晨朝)    
先、総 礼
次、文類正信偈 草四句目下
次、念 仏   濁三
次、和 讃(正像末 三)
    
 初重「菩提をうまじきひとはみな」               
 二重「自力聖道の菩提心」    
 三重「像末五濁の世となりて」  
次、廻 向   世尊我一心   
次、御 文  「御正忌」    五帖目十一通
次、総 礼

 (日中)    
先、総 礼
次、文類正信偈 行四句目下
次、念仏讃   濁五三 
次、和 讃(正像末 四)
 初重「淨土の大菩提心は」 
 二重「如来の廻向に歸入して」
 三重「如来二種の廻向を」    
    念  仏  五遍反   
次、廻 向   願以此功徳    
次、改悔文
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話 
次、恩徳讃
次、総 礼


(大逮夜)    
先、総 礼
次、真宗宗歌
次、入 樂    
次、正信偈   真四句目下    
次、念仏讃   濁 五 
次、和 讃(正像末 五)
   初重「五十六億七千萬」
  二重「眞實信心うるゆへに」   
  三重「彌陀の尊號となへつゝ」
    念  仏  五遍反   
次、廻 向   我説彼尊功徳事 
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話
次、恩徳讃
次、総 礼

夜の座は雅楽が入り、長崎教区内の法中(/ほっちゅう)も何名か出仕されます。

普段より大人数での賑やかなお勤めです。雅楽の演奏は「自然相和会/じねんそうわかい」という長崎教区の有志の雅楽会にお願いしています。
この自然相和会は長崎教区内の報恩講や他教区の報恩講、あるいは御遠忌法要などにも出張し研鑽をつんできました。大逮夜を入雅でお勤めするようになってかれこれ8〜9年ほどになると思います。
地道な努力ですが参詣も少しづつ増えつつあります。「雅楽」というと、多くは神社の音楽というイメージがどうしても先行しますが、本来は仏教音楽です。遥かシルクロードを越えて日本までやってきました。古くは中国から伝わった品々を納めた正倉院の宝物のなかにも雅楽の楽器が納められていることからも、仏教の音楽であることがわかります。
滅多に見る事も聴くこともない機会ですので、ぜひお足を運びください。

お話の後は「お通夜」のおやつが出ます。親鸞聖人の御遷化を忍びつつ赤飯をいただきます。

報恩講五日目 2013年1月26日



 <晨朝> 
先、総 礼
次、文類正信偈 草四句目下     
次、念 仏   濁三
次、和 讃(高僧 四 曇鸞和讃)
  初重「本師曇鸞和尚は」     
  二重「世俗の君子幸臨し」    
  三重「一切道俗もろともに」   
次、廻 向  世尊我一心     
次、御 文 『六箇条』     四帖目十一通
次、総 礼

お寺の法要はお朝事から始まります。朝は参詣がほとんどありませんが、報恩講に参詣される御門徒のために蓮如上人が書かれた御文が毎日拝読されます。その多くは普段は拝読されないものが多くあります。一週間の間に七通の御文が読まれますが、どれも蓮如上人のお心がつまった御文で、いかに真宗の教団が報恩講を大事に勤めてきたかがうかがえます。どうぞ朝のお勤めもお参りください。


(日中)    
先、総 礼
次、文類正信偈 行四句目下
次、念仏讃   濁五三 
次、和 讃(高僧 六)次第六首
        
 初重「いつゝの不思議をとくなかに」
 二重「応相の廻向ととくことは」 
 三重「論主の一心ととけるをば」 
    念  仏  五遍反   
次、廻 向   願以此功徳    

次、改悔文
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話  相良晴美師(沖縄開教本部長/沖縄別院輪番 長崎教区第二組相善寺住職)
次、恩徳讃
次、総 礼

今日から、岡本先生に代わってハーモニカ先生、相良先生がお話されます。
先生は去年の9月から沖縄の開教本部長と沖縄別院の輪番を兼務で引き受けられ、沖縄で頑張っておられます。
その様子を聞かせていただくと、沖縄という独特の地盤の中で、基地闘争や平和の問題、差別の問題などで親鸞聖人の教えに関心が集まっているのだそうです。そういった沖縄の現実を通して権力や差別の中にありながらも、それをもろともとしない生き方をした親鸞という人間に魅力を感じ、親鸞聖人に学びたいという気持ちが興こってきているという
ことでした。
仏教は釈尊の言葉にもあるように、「我々は憎しみあうものの中にあっても、憎しみあうことなく安穏に生きて行こう」という「共に生きる」精神を大事にしています。しかし、沖縄の現状を私なりにつらつら観じてみれば、あのような状況で人々は安穏と生きていけるだろうかと感じます。しかし、そのような状況の中にあっても仏法を学びたいという人々が増えつつあるということは、そこにそのような状況を超えてもなお人間に対する信頼をもって生きていきたいという願いを感じました。




(逮夜)    
先、総 礼
次、真宗宗歌
次、正信偈   真四句目下
次、念仏讃   濁 五 
次、和 讃(高僧 十六 源空和讃)次第六首
 初重「專修のひとをほむるには」 
 二重「男女貴賤ことごとく」   
 三重「彌陀の報土をねがふひと」 
    念  仏  五遍反   
次、廻 向   我説彼尊功徳事  
次、改悔文
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話     相良晴美師(沖縄開教本部長/沖縄別院輪番 長崎教区第二組相善寺住職)
次、恩徳讃
次、総 礼

報恩講四日目(中日)2013年1月25日



(晨朝) 
次、文類正信偈 草四句目下     
次、念 仏   濁三
次、和 讃(高僧 一 龍樹和讃)次第六首
 初重「本師龍樹菩薩は」     二〇二丁右
 二重「本師龍樹菩薩は」     二〇三丁左       
 三重「本師龍樹菩薩の」     二〇四丁左       
次、廻 向   世尊我一心    一〇七丁左
次、御 文 「御命日(三箇条)」  四帖目六通
次、総 礼


(日中)
先、総 礼
次、真宗宗歌
次、正信偈   真四句目下     
次、念仏讃   濁 五 
次、和 讃(高僧 二 龍樹和讃)次第七首
            
 初重「生死の苦海ほとりなし」  
 二重「一切菩薩ののたまはく」  
 同音「恩愛はなはだたちがたく」 
 三重「案養浄土の荘厳は」    
    念  仏  五遍反    

次、廻 向   願以此功徳    
次、改悔文
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話 
次、恩徳讃
次、総 礼

日中の座で岡本先生は島根にお帰りになります。今回も静かな中に熱のこもったお話をありがとうございました。先生には随分と長いことご法話をお願いしていますが、先生のご法話を聴聞しながら毎回感じることは、本当に仏法に出会えた喜びを語っておられるなと感じます。
自信教人信は難中の難ですが、そこに自らが真実に遇うことの難しさ、または真実にであっていないからこそ真実というものがあるのだということを知らされます。有難うございました。

(中逮夜)
先、総 礼
次、真宗宗歌
次、正信偈   草四句目下     
次、念仏讃   濁 五 
次、和 讃(高僧 三)次第六首

 初重「如来淨華の聖衆」    
 二重「天親論主は一心に」   
 三重「願作佛の心はこれ」   
    念  仏  五遍反   
次、廻 向   我説彼尊功徳事 
次、改悔文
次、総 礼
次、御伝鈔
次、法話   若院
次、恩徳讃
次、総 礼

25日の夜は「御伝鈔/ごでんしょう」が拝読されます。親鸞聖人の生涯を二巻の巻物にしたもので、その中身は絵と文章で構成されています。電気を消して蝋燭の明かりだけで拝読される御伝鈔は雰囲気が良いものです。報恩講の醍醐味でもあります。本来は2巻を一度に読むのですが、全部読むと長くなるため、毎年上巻と下巻の入れ替えで拝読しています。

御伝鈔のあとの法話は若院です。親鸞聖人が若い頃、何に苦悩しておられたか、何を憶いながら比叡山の修行をしておられたか。そして法然上人との出会いは親鸞聖人にとってどのような意味があったのかがお話されました。

報恩講三日目 2013年1月24日


三日目。
<晨朝>
先、総 礼
次、文類正信偈 草四句目下     六〇丁右
次、念 仏   濁三
次、和 讃(浄土 九)
 初重「尊者阿難座よりたち」   一六五丁右
 二重「大寂定にいりたまひ」   一六六丁右
 三重「彌陀成佛のこのかたは」  一六七丁右
次、廻 向   世尊我一心    一〇七丁左
次、御 文 「大阪建立」    四帖目十五通
次、総 礼

<日中>。
先、総 礼
次、文類正信偈 行四句目下
次、念仏讃   濁五三 
次、和 讃(浄土 十)
  初重 無碍光佛のひかりには
  二重 眞實信心うるひとは
  三重 至心發願欲生と
   念仏 五遍反
次、廻 向   願以此功徳
次、改悔文
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話 
次、恩徳讃
次、総 礼


<中逮夜>
先、総 礼
次、真宗宗歌
次、正信偈   真四句目下      
次、念仏讃   濁 五 
次、和 讃(浄土 十四)
    初重「十方微塵世界の    
    二重「十方恒沙の諸佛は   
    三重「五濁悪時悪世界    
    念  仏  五遍反
次、廻 向   我説彼尊功徳事  
次、改悔文
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話
次、恩徳讃
次、総 礼

ともに法話:岡本英夫師

報恩講二日目 2013年1月23日



 (晨朝)    
先、総 礼
次、文類正信偈 草四句目下     六〇丁右
次、念 仏   濁三
次、和 讃(浄土 五)
  初重 安樂佛土の依正は               
  二重 己今當の往生は          
  三重 たとひ大千世界に           
次、廻 向 世尊我一心
次、御 文  毎年不缺 (三帖目十一通)
次、総 礼

(日中)    
先、総 礼
次、文類正信偈 行四句目下(赤節譜)六〇丁右
次、念仏讃 濁五三      
次、和 讃 (浄土 六)       
 初重 自餘余の九方の佛国も
  二重 七寶講堂道場樹
  三重 自利利他圓滿して
  念仏 五遍反    
次、廻 向 願以此功徳
次、改悔文
次、総 礼
次、真宗宗歌
次、法 話 
次、恩徳讃
次、総 礼

(逮夜)    
先、総 礼
次、真宗宗歌
次、正信偈  草四句目下      
次、念仏讃   濁 五三 
次、和 讃(浄土 七)
 初重「寶林寶樹微妙音」     
 二重「清風寶樹をふくときは」  
  三重「一一のはなのなかよりは」 
     念  仏  五遍反    
次、廻 向 我説彼尊功徳事  
次、改悔文
次、総 礼
次、法 話
次、恩徳讃
次、総 礼

岡本英夫師は「正信偈」を丁寧におはなしくださいました。所々に専門的な難しい話が出てきますが、そんなことはほとんど気にならずに聞くことができました。聖教に真向かいになって余言をはさまずに一心に真宗の教法をお話される姿に言葉以上の仏法の奥深さを感じました。

報恩講初日 2013年1月22日

報恩講は一番寒い時期に行われるイメージがあります。
今年の初日は天候にも恵まれ、まずまずの天気です。
初日は登高座があり、「報恩講私記/ほうおんこうしき」が拝読されます。
登高座は、本尊の正面に礼盤(らいはん)と呼ばれる。高座が設けられ、式導師が門徒を代表して阿弥陀如来の尊前で表白(ひょうびゃく)を読むことになっています。

また法要は初・中・結と云われ、この3日が儀式として重要な法要とされ、本来は3日とも登高座があるそうです。初日は「報恩講私記」、中日をとばして結願では「嘆徳文/たんどくもん」が拝読されます。この拝読文はそれぞれ親鸞聖人の徳を讃えたもので、格調高い文体で書かれています。作法では拝読者は微音で拝読することになっていますので、参詣される御門徒さんは御本尊の前で導師がごにょごにょ言っているだけで何をやっているのかわからないのではないかと思います。

いよいよ報恩講が始まります!

22日から28日までの一週間、報恩講が厳修されます。みなさまぜひ御参詣下さい。


「報恩講」は真宗で勤められる仏事の中で一番重要な法要で宗祖である親鸞聖人の祥月命日に因んで行われています。大谷派の報恩講は真宗本廟で勤められる11月28日の法要が正式な祥月命日となりますので、萬行寺では”お取り越し報恩講”として毎年勤めています。全国でも一週間お勤めする報恩講は珍しいようで、長崎では旧来、一週間お勤めする寺院が多かったそうですが、今では少なくはなったそうです。

 報恩講は真宗のお寺ならば必ず勤める法要で、北は北海道、南は沖縄、はたまた海外の真宗寺院まで入れると、一年を通してずっと勤められています。


餅をついてお華束(おけそく)と呼ばれるもち飾りを作ります。8斗5升の餅米を蒸します。




本当は杵と臼でついたほうが、餅の繊維を切らないので美味しく出来るらしいのですが、最近はもっぱら機械を使ってつきます。


つき上がった餅は、冷めないうちに棒で平たくのばします。




平たくのばしたら、今度は一つ一つくり抜いていきます。手でこねて丸めた方が無駄が出ずに効率的なのですが、約1200個近くの餅を人海戦術でこなすにはこの方法が一番です。しかも形と大きさが均一になるため、見栄えもきれいです。


数が揃ったら、餅についた粉を落として串に刺していきます。本来、報恩講のお華束は”須弥盛り”ですが、萬行寺は昔から杉盛りでやります。


おけそく1

おけそく2



組み上がり。


色をつけるとこんな感じになります。


いい感じです。


日並から法要中のお斎に出される野菜が届きました。ありがとうございます。






華もようやく終盤。まもなく完成です。華方さんは一週間お疲れさまでした。







出来上がりです。皆様の参詣をおまちしています。
しょうごん

syomyoBOOkおまいりには肩衣と大谷聲名集をご持参下さい。
日中は10:00より、逮夜は19:30より勤まります。

あけましておめでとうございます。


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