今年最後のご命日 ~毎年の風景2



いよいよ今年も終わりです。
今日は今年最後の親鸞聖人のご命日です。
最後とあってか参詣が多いような気がしました。



これで、月忌参りはおしまい。
役僧さんはお休みに入ります。


夕方からは職人さんとの忘年会です。今日一日はとにかく賑やかな一日でした。




我が家のアイドル、沙樹と真歩です。





それから、今年の除夜の鐘はお休みします。

年末の風景



今日は長崎教区の若手学習会、偶願洞(ぐがんどう)と忘年会です。
偶願洞は、長崎教区の役僧、若院を中心とした学習会で、かれこれ10年以上続いている学習会です。
基本的に各寺の役僧・法務員や若院などとの交流のために始まりました。
それぞれがお寺の法務にあたって感じていること、思っていることなどを話しあう集まりです。

一応、まじめにお勉強。
テキストは「親鸞聖人御消息集」です。




その後は、近所の赤提灯で忘年会。
二次会は繁華街。
行こか戻ろか思案橋にてはしご酒・・・・。

毎年の年末の風景です。

12月24日


晴れ毎年恒例のすす払いでした。
このすす払いが行われると、いよいよ今年も終わりかと感慨深くなるものです。
一年間にたまった煤や埃をおとしました。
毎年のすす払いの担当は浦郷の方達です。


 つい最近、巻き障子を新しくしたばかりです。気をつけて。


電気屋さんは電灯の付け替えです。
外の電灯は虫が入ってゴミがたまりやすい。


高いところもしっかり掃除





普段はあまり掃除しないところですが、それでも一年に一回はやっておかないと、どんどん汚れていきますね。




特に宮殿(くうでん)の上はロウソクを使うので、天井は一年間でずいぶんと煤けて真っ黒です。



外は拭き掃除をします。
毎日やってもそれでもやっぱり汚れるものですね。





冬は水が冷たいですから、お湯をわかしてぞうきんがけです。



ようやく終って一段落。






食事午前中で終わり、お斎(とき)をいただいて解散しました。
毎年ありがとうございます。




聞き耳を立てる 夕方7時半からは萬行寺壮年会「白道会」の例会。


毎回正信偈について学んでいます。
今日はとても面白い会でした。

最初は住職の法話。
そのあとは座談。みなさんが普段思っていることなどを話しました。

今回の座題の中心になった話は、『不断煩悩得涅槃/煩悩を断ぜずして涅槃を得る』ということでした。はじめは最近おこっている様々な事件の話から始まり、色々な意見が活発に飛び交いました。

<以下はみなさんの会話からの抜粋>

高田: 佐世保で起こったあの事件にしても、俊ちゃん事件にしても、なぜそうなったか・なぜ
   そういった事件をおこそうと思ったのかわからない。
   その背景や、その人の人生観や生き方、なぜそういうふうな考えに至ったのか、その因果
   関係があるはずだ。

中元: 人間はそんなに強くないですからね。

高田: やはり孤独だったんじゃないかと思います。自暴自棄になっていたとも思いますね。や
   けくそと言うか。
   そうならないように、見つめる環境がなかった。
   やはりこれまであったコミュニティーの崩壊が関係しているのでは。

岩崎:そういう意味では、仏法を聞くことはとても大事ですね。

中元: そういったことを教育で教えることが出来るのかどかうとおもいますね。
   わたしは出来ないように思います。教えるほうも何をどう解っているのかわからない。大
   人が子どもに教えようとすればするだけ、おかしくなるのではないだろうか。
   

住職: 「昔はよかった」という大人の一方的な思いがかえって現代の若者社会を閉塞的状況に
   しているのではないだろうか。

若院: 現代人は忙しくじっくりものを考える時間もない。立ち止まって考える時間の余裕もな
   い。

中元: 『煩悩』といっても、いい煩悩と悪い煩悩がある。例えば、向学心など、仏法を聴聞し
   たいという欲求など。

住職: しかし、その向学心や向上心も悪いふうにはたらくと大変なことになる。差別などもお        こってくる。受験戦争などもそうでしょう。

中元: 煩悩に対して誤解がある。特に真宗は「なにもしなくてもいい、念仏さえ称えていればい       い」という誤解がある。でも、それも問わないままで終ってしまっている。
   わたしはかえってそこが真宗の教えに触れるチャンスだと思う。
   
岩崎: 不断煩悩得涅槃ということがやはり大事ですね。これが正信偈の要ですね。

住職: そうそう、これがあったから、法然上人・親鸞聖人は法難に遇われたんです。
   本当のことを言うと都合が悪いんですね。
   
高田: 煩悩を断ぜずとも涅槃の境地に至ることが出来る・・・どういう心境だろう。
   そんな境地になりたいとよく思うんですがね。
   それってどういうことでしょうね。真宗には答えはないと言うけれど、それでもなんとか
   して解るようになりたいという・・・これも煩悩だと思うんですけど、やっぱりおもいま
   すね。

岩崎: それはいい煩悩といっていいのかもしれませんね。


中元: 私は恥ずかしながら、ずいぶんと長い間真宗を誤解していました。「如来大悲の恩徳は、
    身を粉にしても報ずべし師主知識の恩徳も」という言葉を聞いて、この『師主』という
    言葉が親鸞聖人のことを云われているのだとおもっていました。親鸞聖人が門徒に対し
    て自分に報じよと言われた言葉だとずっと思っていました。「なんともすごいことを言
    うな」と思っていました。それは実は違っていて、親鸞聖人も仰いだ如来に報ずべし謝
    すべしと言われているということが解ったとき、なんともはずかしい勘違いをしていた
    なと反省しました。

住職: そういう勘違い、自分への誤解から目覚める。そこに真宗が始まるんですね。

岩崎: あれは元々は誰が云われた言葉ですか。

住職: 真宗聖典のp530の中頃に出て来ます。「粉骨可報 摧身可謝」というところです    ね。
   これは法然上人のが亡くなり、葬儀が終わった後、の法事で聖覚法印という人が表白され
   た言葉の中にあったものです。その当時関東におられた親鸞聖人が弟子伝いにその話を聞
   かれて書かれたものだと聞いています。ですから親鸞聖人は良き師、法然上人のご恩のこ
   とを云われているのでしょうね。法然上人のご恩とは、法然上人が遇われた如来のご恩で
   しょうね。親鸞聖人は常々ご自分の言葉では語っておられないんです。かならず誰かの言
   葉を話される。これは大事なことですね。


白道会」は萬行寺門徒の壮年の会です。
こんな集まりをしています。どうぞみなさんご参加ください













華立て

今年最後の華立てです。



真宗大谷派の仏華は池坊の立華を基本としています。



中尊前と御第前と祖師前の3杯いけました。

報恩講レポート/第2組 三重・正林寺 2007年

今日は萬行寺のお隣、第2組・三重にある正林寺の報恩講におじゃましました。
ここも雪の浦・真光寺と同じく、下陣には門徒の声明方がいて、大勢でのお勤めでした。

お勤めの後は、宗祖親鸞聖人の伝記が書かれた書物、御伝鈔(ごでんしょう)の拝読です。

ここでは現代語訳の御伝鈔が拝読されました。
現代語訳されたものは初めて聞きました。
門徒の方々には、古文調のものも格調があっていいものでしょうが、現代語訳は聞きやすかったのではないでしょうか。
それぞれにさまざまな工夫がされていて、面白いとおもいます。




やはり蝋燭の明かりの中で巻物を読むというのはいいですね。
報恩講の定番ですね。

報恩講レポート/第1組 福田・西光寺(習礼)

今日は、福田の西光寺の習礼(しゅらい/稽古)でした。






西光寺は、外海の一番端にあたり、稲佐山の麓の外海側に位置しています。
長崎市となっていますが、外海の気質がのこっている地域です。



本堂からは福田の海が一望できます。

今年から西光寺でも大逮夜で楽入りのお勤めが入ることになり、萬行寺から法務員二人が楽人として出仕するので、同行させてもらいました。
西光寺では、以前楽人がいたのだそうですが、ずいぶんまえになくなって久しいそうです。
今回は、初めてということもあり小編成の3管、篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)・笙(しょう)での演奏です。
音程の確認と節譜(せっぷ)の確認をしました。



報恩講の準備が着々と進められています。

西光寺での入楽法要は12月23日の逮夜です。

報恩講レポート/第2組 雪の浦・真光寺



今日は雪の浦にある長崎教区第2組、真光寺の逮夜にお参りしました。
11月の永代経法要でのご住職のお話が印象的で、一度行ってみたいと思っていました。

長崎教区の第2組といえば、外海といわれる場所で、隠れキリシタンなどで有名な観光地や瓦屋根の教会などが点在し、大小様々な島がある土地です。
長崎というとキリスト教というイメージが強いようですが、事実は仏教寺院の数のほうが多いといわれています。
とりわけこの長崎教区の第2組と呼ばれる地域は、長崎では昔ながらの真宗の伝統が息づいている場所です。
過疎化も深刻な問題ではありますが、その分地域の結びつきが強く、例えば町民が全部真宗門徒だったり、町全体がお寺を中心に成り立っていて、何割かは解りませんがこの地域は真宗大谷派の門徒で占めているようです。
まぁ、いわば真宗相応の地といってもいいところだと思います。

萬行寺があるのは西彼杵郡で第1組。
お隣は長崎市で、萬行寺も文化圏としては市内地域に属しています。
市内の特徴としては、これまであった伝統というものが都会化が急激に進んだため、元々あった外海地区のようなコミュニティーが徐々になくなりつつあり、萬行寺もその例外ではありません。

そんな外海の中でも、雪の浦という場所は、個人的にはとても印象が強いところです。
ここでは、報恩講を元あったスタイルに戻そうということで、在家報恩講の数が増え、活気を取り戻して来ているというはなしをききました。すごいですね。



本堂では、下陣に”声明方”と呼ばれる門徒が着物姿で出仕、その他門徒で結成された雅楽の楽人がスタンバイしています。声明方の中には高校生も混じっていて、僧分と門徒による大合唱でした。
途中、日曜学校の子どもたちが裃を着てロウソクを交換したりとなにかと初めての体験でした。



12月8日 報恩講/成道会

今日は毎年恒例の萬行寺のお膝元、山の下地区の報恩講でした。
老若男女あわせて40人ぐらいの集まりです。
山の下とは、萬行寺に一番近い地区に住む人たちの講の名前で、毎年報恩講の時期になると食事や餅つきなどで主力になる講です。
この講には伝統があり、子どもたちのほとんどが代々、萬行寺の日曜学校出身で昔から正信偈や御文に慣れ親しんでいます。
毎年、この日には家族総出で萬行寺にやって来ます。
今日は一年で一番賑やかな日でしょう。

まず、正信偈・念仏・和讃。和讃は「三朝浄土の大師等」の三首引き、その後は御文、法話、聖句、恩徳讃と続きます。
子どもたちも大人に交じって聖句もしっかり読みました。

そのあとは、お斎をいただきます。





子どもたちは「日本昔話」のビデオに夢中。



それから忘れてはいけないのは、今日は成道会(じょうどうえ)。釈尊がさとりを開いた日です。
それから太平洋戦争が始まった日でもあります。

12月更新

今年もあとわずかです。
ということで、今月の更新をしました。
前回の報恩講のレポートを簡単ですが載せました。

これからいよいよ報恩講です。

さらに続き

たとえば、親鸞聖人在世のころの比叡山では、次の人たちが入山を禁止されていました。

女性・・・・・・・三穢、もしくは修行の妨げになるもの
猟(漁)・・・・・・殺生を犯すもの
商人・・・・・・・妄語を犯すもの
罪人・・・・・・・既に罪を犯したもの
 
といった人たちで、これらの人々は、その生まれによって、職業によって、自らの行いによって戒律を守ることの出来ない者として入山が禁止されていました。
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